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家族の健康を育む陰陽調和の家庭料理
重ね煮は、旬の野菜をふんだんに使い、東洋の自然観である「陰陽」の考えに基づいて調理される家庭料理です。陰陽のバランスが取れた「中庸(ちゅうよう)」な状態を目指すことで、ご家族の体調を整え、身体の内側から健康を育むことを目的としています。
この調理法では、素材本来の持ち味がじっくりと引き出され、他に類を見ない「まあるい味」に仕上がります。また、無水調理とは異なり、野菜の色味が鮮やかに仕上がるのも特徴です。
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重ね煮の5つの魅力
重ね煮には、日々の食卓を豊かにし、健康をサポートする多くの魅力があります。
1.野菜がたくさん食べられる: 多くの種類の野菜を無理なく美味しく摂取できます。
2.砂糖不要、油も控えめ: 素材本来の甘みや旨みを活かすため、余分な調味料を控えることができます。
3.皮も灰汁(アク)も食べる全体食: 食材を丸ごといただくことで、栄養を余すことなく摂り入れられます。
4.時短・エコ: 効率的な調理法により、時間の節約になり、ゴミの量も抑えられます。
5.とにかく美味しい: 滋養のある味で、毎日の食事が楽しみになります。
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重ね煮における陰陽調和の考え方
「重ね煮」は、自然界のあらゆるものが「陰」と「陽」の要素を持つという東洋の思想から生まれました。私たち人間の身体も食材もその一部であり、これらの陰陽のバランスが取れている状態が「中庸」、すなわち健康であると考えられています。
陰性または陽性のどちらかに偏ってしまうと体調を崩しやすくなりますが、日々の食生活で「中庸」な食事を心がけることで、体調の大きな崩れを防ぎ、速やかに回復させることができます。つまり、重ね煮は、日々の食事を通して自分自身やご家族の体調を管理し、身体の内側から整える「食養生」の家庭料理なのです。
陰陽が調和した「中庸」の状態を作り出す重ね煮の調理法には、鍋に素材を重ねる順番に大切な約束があります。上に向かって育つ力を持つ「陰性」の食材は鍋の下に、下に向かって育つ力を持つ「陽性」の食材は上に重ねていきます。
このように、それぞれの食材が持つ「育つ向き」をぶつけ合うように重ねることで、鍋の中で陰陽のエネルギーが作用し合い、対流が生まれます。この作用によって調和が起こり、「中庸」の状態が作られ、重ね煮独特の味が生まれるのです。
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蒸し煮を基本とした多様な重ね煮料理
陰陽調和の重ね煮料理は「蒸し煮」が基本です。少量の水を使うことで、野菜の甘みや旨みが瞬時に引き出されます。煮物はもちろんのこと、和え物としても手軽に作れて、その美味しさは格別です。
重ね煮を学んだ生徒さんからは「子どもが野菜を食べるようになった」「体調不良が長引かなくなった」「美味しいと言ってもらえた」といった喜びの声が多数寄せられています。
あなたも「重ね煮」を体験して、その魅力を実感してみませんか?